
中村屋は1901年の創業以来、日本に無かったさまざまな食を創り出し、広めてきました。 日本の3大菓子パンと言われる”あんぱん””ジャムパン””クリームパン”。あんぱんの元祖が1874(明治7)年に発売した木村家さんということはよく知られていますが、クリームパンについてはあまり知られていないようです。実はクリームパンの元祖は中村屋なのです。一方「カリーパン」は、中村屋の歴史の中で、大正末から昭和の初めに新宿に進出してきた百貨店に対抗すべく、積極的な方策を打ち出し、1927(昭和2)年には中村屋を代表する3商品「純印度式カリー」「月餅」「中華まん」を発売します。これらの商品群が奏功し、中村屋は百貨店の出店にも負けず、逆に売り上げを伸ばすことに成功する中で、太平洋戦争が近づくと、店頭には食料を求めてお客たちが列をなすようになり、物資不足の中でも何とかお客さまに商品をご提供したいと、料理としての純印度式カリーの提供が難しくなる中で、少しずつでもカリーを味わっていただきたいとの思いから、1940(昭和15)年に「カリーパン」は作られたものでした。

言わずもがなの宿駅至近、主要地下街からのアクセスも容易な自社ビルで利便性抜群の立地ながら老舗の余裕なのか?常に混雑している様子はない。店舗の入り口は、地下を感じさせない煌びやかで開放感ある外観を演出しているので「期待感の醸成」は高まりますが、やや時代を感じる高級感・・・昔の新宿の優雅さを想起するようなイメージもあるため世代によっては抵抗を感じることもあるかもしれない。

パンの種類は、新宿カリーパン(389円)、新宿ピロシキ(369円)、元祖クリームパン(270円)の3商品で勝負している。私が個人的に好ましく思っているのは「新宿カリーパン」である。新宿に赴けば時間を見つけて買いに行く。1個しか買わないこともあるがベテランのお姉さん方の素晴らしい接客対応に助けられ、つい寄ってしまうのである。

元祖クリームパンは、やや甘味が感じられるが「元祖」とワードと聞いてしまうと「あ〜なるほど〜」などと感じ入ってしまう美味しさを実感してしまうのが不思議である。新宿中村屋(本店)は、新宿の一等地にあり、様々な時代の景色を眺めてきたと思うが、これからも、この味を紡いでいってほしい。と勝手ながら考えてしまうのである。しかしながら、今、この時代にも食べれることに「ありがたやまでございます」。

